子どもの偏食は、パパやママにとって悩ましい問題ですよね。「全然野菜食べないけど、病気になったりしない?!」と不安になっている方もいると思います。
子どもの味覚や食の好みは個人差があり、子どもの成長に伴って変化していくものです。本記事では、未就学児の子どもの偏食の原因と対策について、保育士がより詳しく解説します。
この記事でわかること
- 子どもの好き嫌いの理由
- 苦手な食べ物を子どもに食べてもらうテクニック
- 空腹を大切に。1日の食事で気をつけること
- 子どもが食べ物に興味を持つには、お手伝い!
子どもが好き嫌いをする理由
味覚や食感の好み
子どもは大人よりも味覚や食感に敏感です。苦味や酸味、ねばねばした食感などが苦手な子もいます。例えば、ピーマンの苦味や、ナスやブロッコリーのねばねばした食感が苦手な子どもは多いです。
新しい食べ物への抵抗感
子どもは新しいことに警戒心があります。見た目が独特な食材や、今まで食べたことのない味は敬遠しがちです。特に、緑色の野菜や、キノコ類など、見た目が独特な食材を嫌がる子どもが多いです。
偏食が弱まるには、食べる意欲を高めることが有効
見た目嫌い、食わず嫌いの子がいたとします。その子がお腹が空いている時と好いていないときだと、どちらが食べる確率が高いかというと、空いている時ですよね。
「食べたい!」「お腹空いた!」
と、子どもの食べる意欲を高める工夫によって、偏食が弱まるかもしれません。
食べる意欲が弱いのは、食事の環境や習慣が原因?
子どもの食べる意欲が弱くなる代表的なものは、以下の3つです。気をつけることで、もっと食べるようになるかもしれません。
- おやつを食べすぎている
- 日々の食事時間がバラバラ
- 集中できない食事環境
おやつを食べ過ぎている
おやつを食べすぎると、食事の時に空腹感がなくなり、ご飯を食べる意欲が減ります。その結果、苦手な食べ物はなおさら食べなくなってしまいますね。
日々の食事時間がバラバラ
食事時間がバラバラだと、体内リズムが乱れ、食欲が出ないことがあります。腹時計は、体内のリズムによるホルモンの分泌の影響を受けているんです。
「昨日は7時に朝ごはんだけど今日は8時半に朝ごはん」
こうなってしまうと空腹を感じにくくなり、結果的に苦手な食べ物も食べなくなってしまいます
集中できない食事環境
テレビやYouTubeなどをつけたままだと子どもの気が散りますし、大人が
「ちゃんと食べて!」「ちゃんと座って!」
と、子どもにしつこく言っている状況も、子どもの食べる意欲を無くしてしまいます。躾はもちろん大切ですが、食事には楽しさが大切なこともお忘れなく。
見た目で苦手意識がある場合の対策
実際に僕が保育士や親として効果的だった方法をご紹介します。
見た目を工夫して、味は同じに
ピーマンはみじん切りにしてチャーハンに、ほうれん草はすりつぶしてポタージュに。見た目を変えて、食べやすくしましょう。
細かく刻んだり、すりつぶしたりすることで、見た目が分からなくなり、食べやすくなります。
他の食材と混ぜることで、苦手な食材の存在感を薄めることもできます。ただ、味は感じられるようにするのがポイント。
見た目で苦手でも、「食べたことある味」と認識した食べ物は抵抗感が弱まり、今後その食べ物に挑戦しやすくなります。
味で嫌がる場合の対策
味で嫌がる場合には、2つの方法が有効でした。
- 少量から、徐々に慣らす
- 薄味にし、野菜の旨みを利用する
少量から、徐々に慣らす
子どもは味の好みがあるため、苦味や酸味などの特定の味に対して嫌悪感を抱くことがあります。食感も、好き嫌いがあり、キノコのむにゅっとした感じが嫌いな子もいますよね。
こうした場合は、少量から慣らす方法と、薄い味から始める方法が効果的です。
嫌いな味も、少しずつご飯やスープに混ぜたり、薄味から始めたりして慣れさせていきましょう。初めからたくさん与えると、子どもは抵抗感を覚えてしまいます。
少しずつ量を増やしていくことで、自然と食べられるようになることが多いです。
野菜本来の味を生かした薄味で
濃い味付けに慣れると、薄味を美味しく感じなくなります。素材の味を生かした薄味の食事を心がけましょう。
化学調味料や塩分を控えめにすることで、野菜本来の味を楽しむことができます。
砂糖や塩、油は、脳から快楽物質が出るため、子どもは摂りすぎになりがち。市販のレトルト系は基本味が大人向けと同じくらい濃い味付けなので、薄めてから与える方がいいですね。
その他のポイント
空腹で食事を始める
おやつや間食を控えて、お腹が空いた状態で食事をするようにしましょう。空腹であれば、自然と食欲が出やすくなります。
おやつや間食の食べ過ぎ、食事時間の乱れには注意し、大人がしっかりと管理しましょう。
叱らず、気長に
食事は基本的に楽しい時間であるべきです。叱ったり無理強いしたりせず、気長に待つことが大切です。
食べずに遊び始めるようだったら終わりにしてOKです。叱りながら食べさせるということがないようにしましょう。叱っても食べません。
一緒に料理したり、食卓を作ったりする
子どもが料理に興味を持ち、食への関心を高めるには、お手伝いが1番です。
一緒に野菜を洗ったり、料理したりすることで、食への意識を高めることができます。
季節によっては、野菜を苗で育ててみるのもたのしいですよ!苦手な野菜でも、自分で育てたものだと食べたくなるものです。
まとめ
食事を工夫して、楽しく食べる事を忘れずに。食べない場合は終わりにしてOK。お子さんの偏食が少しでも良くなれば幸いです。
※この記事は、あくまで参考情報です。個別のケースについては、専門家に相談することをおすすめします。
さらに詳しく知りたい場合は、以下の情報も参考にしてください。
- 厚生労働省「食事バランスガイド」https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou-syokuji.html
- 農林水産省「食事バランスガイド」https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/balance/